私たちは2013年、立川市議会に「条例を作ってください」と以下のような請願書を出しました。

そして今、様々な方のご協力で、条例ができました!


 今年6月、通常国会で「障害を理由とする差別解消の推進に関する法律(以下、障害者差別解消 法)」が全会一 致で採択されました。これは障がい者に対する目に見えない偏見も無くしていきたいという、障がい当事者、支援者、関係機関の思いで成立した法律です。  この成立は、140に近い国・地域が批准している国連の障害者権利条約を日本が批准する日も遠くない段階に きていることも意味します。

 障害者差別解消法は、「障害を理由とする差別の解消を推進し、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資する」ことを目的としています。これは   長年の障がい当事者、家族の願いでした。

障がい者は長い間、差別や偏見の対象でした。今でも、「車イスでバスに乗ろうとしたら面倒くさそうな態度をされた」「レストランで入店を拒否された」「じろじろと見られた」「障がい者に近寄るなといわれた」「病院をことわられた」「白い目で見られた」等々、辛い思い、苦い経験をした障がいのある立川市民は少なくありません。

 障がいは個人の問題ではなく、社会との間の障壁によって、障がいのある人がその能力を発揮する機会を奪われた状態にあることを意味します。社会的障壁は、階段や段差、トイレ、言語(手話や要約筆記、点字)など、比較的分かりやすいものから、知的・精神・発達障がいや内部障がいの人にとっては、その障がい特性が理解されないなど、見た目では分かりにくいものも多くあります。

 障がいの特性に対する無理解から誤解や偏見が生まれ、結果として差別につながることもあります。私たち、障がい者同士でさえ、互いの障がいを理解する前は、思い込みや偏見がありました。

 

 障がいは他人事のように思われがちですが、事故や病気等によりいつでも障がいをもつ可能性があります。また、加齢により、心身の機能の低下、場合によっては認知機能も低下し、生活に不便を生じてきます。障がい者が地域で当たり前に生活できる社会は、誰もが地域に出て、より主体的に生きることができる社会であり、支え合えるやさしい社会です。他方、障がい者が差別や偏見をうけ、それを黙認している社会は、子どもたちの人権意識にも大きく影響をあたえることでしょう。

人格と個性を尊重し合う共生社会は、住んでいる地域社会からつくっていくことではじめて実現できるものです。そのためにも、地域社会に根ざした条例の制定は大切です。すでに条例が制定されているところでは、相談活動の充実、情報 保障のガイドラインづくり、障がい者が銀行や商店などを利用しやすくなるような具体的な取り組みをおこなっています。

 立川市においても、一般市民および障がい当事者・家族、関係機関、支援者らが話し合いを重ね、相互理解を深める努力が大切です。そうした条例制定の取組みのなかで、立川らしい、障がいのある人もない人も暮らしやすい仕組みを作ることができると考えます。また、丁寧に行うその取組み自体が、ネットワークを構築し、誰もが暮らしやすい仕組みに変えていくことになるでしょう。

 私たちの求める条例は、罰則や義務をことさら強調するのではなく、市民一人ひとりが障がい者の問題を理解することで、意識を変え、地域社会を変えていく力になるような条例です。 市民のみなさんとともに、そのような条例を立川においても制定したいと願っています。

 立川の地から、「障がい者にやさしい街」「共生社会実現」のメッセージを発信してください。         

          記

 

1.「障がいのある人もない人も暮らしやすい立川をつくる条例」を制定すること。

2.条例案の策定に当たっては、一般市民および障がい当事者・家族、支援者など

の参加をはかり、意見を尊重すること。